LUMIX GX7 ファーストインプレッション(4)2014年04月26日 22時48分58秒

マイクロフォーサーズのメリットは小型軽量であること。
ボディだけを小型化しても意味がない。
レンズを含めトータルで小型化を実現することが、マイクロフォーサーズの存在価値である。
大きくても構わないのなら、光学ファインダーが使えて遥かに使い勝手のいい一眼レフを選ぶからだ。

小さいレンズを選ぶとなると、明るさを諦めて暗いズームにするか、ズームを諦めて単焦点にするかという選択肢になる。
ズームは便利だし、ノイズを気にしないならイマドキのカメラは高感度は綺麗になっているので多少暗くてもグイッとISO感度を上げてしまえば、ブレずに撮れる。ミラーレスカメラをカジュアルにスマートに使うなら、何も悩まずに標準ズーム一本で決まりだと思う。
しかし、GX7についてきたレンズは後者。ズームできない不便な単焦点だ。その代わり、たった2.5cm厚という薄さのレンズで、F1.7という明るいレンズだ。ヤフオクで2万以上の値が付くので売ってしまっても損はないが、マイクロフォーサーズというシステムを楽しむために取って置くことにした。
このレンズ、AFが遅いという評判だがAFの遅さなんかより最大撮影倍率の低さが問題。ZUIKO DIGITALのズームレンズを使っていると、寄れるのが当たり前になってしまうのだ。標準レンズは万能性の大切な要素なので、もっと寄れるレンズにして欲しかったなぁ。解像力に関しては非常に評判がよろしいようだ。

さて、この被写界深度の浅いF1.7のレンズを標準とするためか、GX7にはマニュアルフォーカスのための素晴らしい性能が揃っている。

LUMIX DMC-GX7

・MFアシストでの拡大表示は、画面全体だけではなく、画面の一部を拡大領域にできる。
全体の構図を確認しながらピントを追い込むことが可能だ。
・MFガイドで、無限遠から最短撮影距離までのスライダー上にピントの位置が表示されるので、今どの位置にピントがあるのか瞬時に把握できる。(手持ちのフォーサーズレンズだと表示されない?)
・ピーキング機能で、合焦位置が色づいて表示されるのでわかりやすい。

AF+MF時にシャッター半押しにしたまま、MF機能を使いこなすのはなかなか難しい操作なので、AF/AE LOCKボタンをAFをロックにして、AF/AE LOCK維持モードにしてからMFを使えば操作しやすい。

これだけMFをサポートする機能がしっかりしていると、AFの遅いフォーサーズレンズもある程度は使えるだろう。

しかし、実際にF1.7のキットレンズを屋外で使おうとすると、シャッタースピードが1/8000じゃ遅すぎるんだよ。NDフィルターを付ければいいが、それではせっかくの機動性の高さが失われる。
「電子シャッターのみ」という条件付きでもいいから、1/16000とか1/32000が欲しい。
そして、もうひとつの解決策として、低感度が欲しい。ISO100、ISO50、ISO25があってもいいと思う。白飛びしやすい拡張感度なんかじゃなく画質の劣化なしで使える常用感度として。
もう高画素競争や高感度競争にはうんざり。ユーザーメリットのほとんどない素人騙しの競争だ。ノイズだらけでも写せれば、カタログに載る数値。そんなものに意味はない。
いくら高感度が綺麗だとしても、どうせ感度上げればノイズが乗るんだ。だから、少しでも低ノイズな低い感度を選ぶよ。どうせ使わない高感度なんかより、よく使う低感度をより高画質にして、より低感度を使えるようにして欲しいのだ。
せっかくのF1.7を使いたいじゃないか。絞り開放の画質の悪さをソフトな描写だとか味があるとか誤魔化す糞レンズなんかじゃなくて、絞り開放から高画質なデジタル専用のレンズなんだからさ。