OLYMPUS E-300 vs E-5 ― 2013年03月16日 20時47分02秒
今回は純粋にブルーに関して比べてみよう。
今更、E-300とE-5を比べようなんて、どんだけ周回遅れなんだと思うが。
被写体はこれ、例によってカルソニック。
RAW現像して、ナンバープレートの処理をして縮小/シャープネスをかけただけ。
これぞコダックブルーというほどのブルーではないが、過剰に演出したコダックブルーの空を比べようというのではなく、日常の平凡なコダックブルーを比べたいと思う。
真っ青なコダックブルーの空の比較ってのは、いろんなWebサイトが既にやっているし。
レンズは、ZUIKO DIGITAL ED 35-100mm F2.0で、設定は35mm F5.6 SS 1/800 ISO100、色温度 5300K。
上にも書いたとおりコダックブルーというほどのブルーではないが、紛れもなくE-300で撮った色だ。
E-1のコダックセンサーを長く使い込んでいるので分かるが、青は深い青になり、霞掛かった空や北アルプスの雪のように明度の高い青がわずかにマゼンタを帯びたこの色の傾向がコダックセンサー特有のブルーなんだと思う。
記憶色を正確に再現した色ですっきりとした印象の好ましい色だと感じる。
ゆくゆくはE-1も比べてみたいものだが、重箱の隅くらいの違いしか無いのかもしれない。
レンズとF値、色温度は同じ。基準感度がISO200なので、SS 1/1600で同じ露出に合わせてある。35-100mmはフォーカス位置の違いで像の大きさの変化があるので、若干大きく写ってしまっている。
見慣れてしまえばこれが最もニュートラルな感じはするが、殊コダックブルーとの比較においては、空もカルソニックも全体的にグリーン掛かって見えてしまう。カルソニックブルーはE-300に比べて水色で、ウィンカーのオレンジが濃い色だ。
記憶色のE-300に対し、やや実物の色に寄せた雰囲気を感じる。
どちらもクリアーでくっきりした印象だけど、同じオリンパスでもここまで違うのか。
カルソニックブルーの濃さが足りないんじゃないかと、上のE-5のRAWをVividで現像したもの。
カルソニックブルーはベタッとした青になり、オモチャっぽくて不自然な感じだ。
空は緑から水色に寄ってしまい、E-300のコダックブルーとは大きく異なる。
Vividは風景や紅葉には効果的に使える色作りだが、人工的な色を撮るときは少し難しい色だ。
i-Finishというモードは、オリンパス曰く「記憶色を超えた感動の再現」だそうな。
膨大なサンプルから得られたデータを解析して作り出されたモードで、被写体によって効果は変わるらしい。
青系の色には強く反応し、グッと彩度をあげてくれる印象がある。
・・・ので、やっぱり人工的な青を撮ると不自然。i-Finish標準では論外なのだが弱にしてもVIVIDと同様の傾向で青が不自然。
i-Finishも風景や人を撮るには良いが、VIVIDと同様で使いどころが難しい。
結局こういう色作りの機能はRAWで撮っておいて、現像時にチョイスする使い方になってしまう。
ということで、E-5のどのモードもE-300のコダックブルーとは違う結果になった。
コダックブルーなんて存在しないという人もいるが、同じ被写体を撮り比べてはっきりと発色傾向が異なることを確認できたわけで、これは紛れもないコダックブルーの存在といえる。
”コダックセンサーと画像処理エンジンの特長が、オリンパスのコダックブルー”であると。
一方で、ただコダックのセンサーを使っているだけではこの傾向の色が出るとは限らないだろう、そういう意味ではコダックのブルーというのは存在しないと言えるのかもしれない。
オリンパスブルーも良いけど、やっぱコダックブルー良いわ~。
という、ここまではよくある比較サイト。
ここでは一歩踏み込んで、コダックブルーの再現を試みる。
まずOlympusViewerを使って、Naturalのグリーン傾向をマゼンタ側に振るためにホワイトバランスをいじってみるが、マゼンタ掛かった空の傾向を合わせれば全体がマゼンタ被りし、カルソニックブルーの傾向を合わせれば空のグリーン傾向は抜けず、OlympusViewerでの再現は断念。
まー、全体に色相がズレてるんでしょと、Photoshopで色相加工した。
その結果、これ。
お、E-300にかなり近くなった。
わずかな加工でコダックブルー風になるとは、さすがオリンパスブルーのE-5といったところか。
この画像に関しては単純に色相の変更でかなり近くなったが、色相をズラすと他の色の発色傾向まで大きく変わってしまうので、すべての写真がこの処理だけでコダックブルーっぽくなるとは限らないだろう。
しかし、E-5 Natural&色相+5は、お手軽に簡単にコダックブルーの再現性に近づく手段としては有効といえそうだ。
最新のE-5でコダックブルーを再現できれば完全無欠だし、これだけでもE-300を買った価値はあったよ。
まぁ、最も肝心ないわゆるコダックブルーといわれる特有の空の深い青色の再現は、まだ試してないんだけどさ。
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